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山口 徹治
京都大学大学院工学研究科博士学位論文, 136 Pages, 2001/01
地層処分場から漏えいした長寿命核種が亀裂性の岩盤内を地下水によって移行するとき、岩石マトリクス内への拡散とそれに伴う鉱物表面への吸着により、その移行が著しく遅延されると期待される。岩盤中の亀裂頻度が高い我が国においては、健全な岩石内へのイオンの拡散のしくみを解明し、これを安全評価に取り入れることが緊要である。そこで、日本の代表的な花崗岩について拡散経路となる間隙構造を解明するとともに、透過拡散実験によって陽イオン,陰イオン,アクチニド元素の炭酸錯体などについて拡散挙動を調べた。その結果、健全な岩石内をイオンが拡散することができ、その拡散には表面拡散が寄与することを証明することにより、天然の岩盤が放射性核種の移行を遅延させる効果を定量的に評価することを可能にした。